河豚川ポンズ

ヴェノムの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
4.0
最悪(笑)のダークヒーローな映画。
もはやエディとヴェノムのバディものみたいなもんでしょ、これ。

トラブルメーカーながらも腕のたつ記者のエディ・ブロック(トム・ハーディ)。
態度は横柄でちゃらんぽらんだけれども常に弱き者のために取材を続ける彼は、ライフ財団への取材から違法な臨床試験を秘密裏に行っていることを知り、財団理事のカールトン・ドレイク(リズ・アーメッド)にインタビューで詰問する。
もちろんドレイクは認めるはずもなく、案の定その取材はお蔵入りとなり、エディもクビになってしまい、さらには情報の出所で財団の弁護をしていた恋人のアン・ウェイング(ミシェル・ウィリアムズ)からも別れを告げられる。
人生のドン底に直行していくエディだったが、半年経ったある時、財団の研究員のドーラ・スカース(ジェニー・スレイト)から告発を受ける。
証拠の確保のためにドーラの手引きで研究所に忍び込んだエディだったが、そこで彼は恐ろしい実験を目の当たりにし、そして謎の生命体に寄生されてしまう。

とうとう始まったアメコミヴィラン単体での映画化の流れ。
その1発目がヴェノムで、しかもこんな大味で大雑把な感じでびっくり。
散々最悪だの最凶だの公開前に煽っておいて、さあ蓋を開けてみれば超優秀なマネージャーと化したヴェノムって何なんだ。
(いいぞ、もっとやれ)
それもあってか今回はどちらかというと自己紹介で済ませたという感じ。
まあスパイダーマンと合流させたところでサム・ライミ版の焼き直しにしかならないし、それならヴェノムを中心として新しいストーリーやる方がずっと良いんだろうな。
原作でもヴェノム派生のキャラも増えてきて話も作りやすいだろうし。

全体的に大雑把な分、ストーリーのテンポも早けりゃ、アクションや演出もとにかく派手。
ヴェノムに覆われた姿で戦うシーンはもちろんだけど、生身にヴェノムのアシストで戦うシーンも今までに無かったような発想で良かった。
そしてこういうので大切なのは同じ能力持ちとの対決なのだけれど、そこもしっかりと外さずに盛り込んでくれたのはとても嬉しい。
そりゃここ最近で観た中でぶっちぎりの長さのエンディングクレジットになりますわ。

続編やる気満々で、しかも出てくるのが公開前から噂に聞いていたアイツが出てくるとなると、これもなかなか見逃せないシリーズになりそう。