タキ

ヴェノムのタキのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
4.2
批評家の反応良くなかったの?うっそーというぐらいのいい出来。
映画のテイストをコメディにしたこととトム・ハーディをキャスティングしたのがすごくよかった。
エディとヴェノムの掛け合いがコントみたいでそれをトムハひとりで表情豊かに演じるていてめちゃくちゃカワイイ。それ以外のシーンでも何度も言うけどエディがかわいくてかわいくてどこを切っても金太郎飴みたいにかわいい。弱きを助け強きをくじく正義感みなぎるキャラクターにも愛着を覚えるしフラれた彼女の家の周りをウロウロしたり最後までどうにか復縁できないかと未練タラタラでそんなダメなところもキャラに合ってる。

勤め先のテレビ局のスポンサーでもあるライフ財団の不正を暴こうとしたため職も恋人も失い新たな職も見つからないまま半年たっても無為の日々を過ごすエディ。弱いものの味方をしたらこのザマだという負け犬根性からいつも食料を買っているドラッグストアで強盗と鉢合わせてもそっとやり過ごすほどのダメージを受けている。この「負け犬」根性に地球外生命体シンビオートがシンパシーを感じるというのが面白い。シンビオートには個別に名前があり、ライフ財団の創始者カールトン・ドレイクに寄生した隊長のライオットはほかのシンビオートを凌ぐパワーを持っているらしい。己を負け犬というからにはヴェノムもその世界でうまくいかない何かを持て余しているわけで、おそらくこの部隊長とうまく行ってないのではないかと思う。一体化しヴェノムとなった彼らはライフ財団によって蹂躙される社会的弱者を救い、上司のパワハラをタコ殴りにしていくというなんともスカッとする話。
ヴェノムの真の目的はそこにはないのは明白だけど結果的にそうなってしまい、これは共生であり、異人間でうまくやっていく方法を模索するあたりも移民問題をかかえる現代社会を想起させる。

意思に反した動きをみせるアクションシーンも変則的で楽しかった。そもそもバイクに乗るトムハだけでも眼福。

エンドクレジットの最中に次回作のヴィランはカーネイジだということを示唆して本編は終わるのだが、もひとつおまけでスパイダーマンのアニメーションもついている。ヴェノムとスパイダーマン。マーベル世界がうまくつながることを期待。
先頃亡くなったスタン・リーのカメオ出演ももちろんあった。
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