バルバワ

ヴェノムのバルバワのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
4.0
スタン・リーがスクリーンに映っただけで泣きそうになりながら鑑賞致しました。どうか安らかに。

いやぁ、今年観た映画で一番エンドロールが長い!

あらすじは報道記者のエディが宇宙生命体ヴェノムと体の中で仲良くケンカする!…的な感じです。

今回のヴェノムはチャーミングかつ凶暴で、寄生されるエディはヴェノムに人間界の常識を教えようとしようとするが、振り回される…個人的には二人のドタバタが大人気漫画《うしおととら》+名作ホラー映画『死霊のはらわた(2以降)』みたいな印象を受けました。

エディは冒頭でちょっと調子に乗って何もかもを失います。要は彼は空っぽになりいつでもヴェノムを受け入れるような器になったのです。そして観客のこちらも今作をちゃんと受け入れるべく頭を空っぽにする必要があります。

まあ、全体的な完成度はユルいのです。路駐していた車はカットが代わったらなくなってるし(タクシーだったのかな…)、敵役ドレイクの会社のセキュリティはザルな上にただでさえ黒い噂が流れている会社なのに街中で爆発するドローンを飛ばしまくるし、警察は器物破損に殺人を繰り返す犯人は顔を晒しまくっているのに放置するし、どんなにボコられても傷一つ付かない敵はいるし…気になることは多々ある!そして、それが映画としての欠点であることも重々承知です!

ですが!嫌いじゃない!

アメコミ作品も最近は完成度が高く、隙がない映画が増え鑑賞後は「素晴らしい!」と感動し舌を巻くことが多くなった反面、大味映画も大好きな私は「もうちょっとユルくてもいいなぁ…」と少し寂しく思ったりしていました。

だから、今作のような"細けぇことはいんだよ!"な作りのアメコミ映画は久しぶりでしたし、それこそ『コマンドー』や『コブラ』、『デッド・フォール』を観た後の「なんか全部どうでもいいや!」と両手を振り上げたくなるような清々しい気分にもなりました。

まあ、終盤の敵が一気にバカになったり、バトルが観にくかったり、そこでヒロインがドヤ顔でする行動がマジでウザかったりするのですが、MCUでもDCでも味わえない良くも悪くも抜けの良い映画でした!
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