ワンコ

ヴェノムのワンコのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
4.3
【イラっとするキャラだけど…】

マーベル・ヒーローは、大概どこかに欠点があって、「そういう奴いるいる!」みたいな気持ちになる。

金持ちだけど傲慢で独りよがりとか、ひ弱な学生とか、協調性が過ぎて足元救われるとか、泥棒とか…。ホントにイラッとする(笑)。

ヴェノムの主人公も、御多分に洩れず、正義感が強くて記者の肩書きはあるものの、生活力はなくて、冷静な判断もできなくて、グッドルッキングでもない、そんなキャラだ。

おまけに、寄生してくる地球外生物も、グロテスクで、人間を食いたがる。

それが、映画のストーリーの展開とともに、ちょっぴり成長、変化する。

ただ、オリジナルのキャラ設定は一緒なので、ちょっぴり、と言いたい(笑)。

余談だが、寄生する方も、主人公の正義感とシンクロして、超強力・極悪キャラの同類とも戦おうとするところは、なんか、前に漫画で読んだ、「寄生獣」を思い出させる。

それでも、基本、勧善懲悪の古き良きアメリカ映画を踏襲するような展開で痛快さは残る。

ヴェノムの舞台は、サンフランシスコ。

人種も多様な地域だ。人体実験に利用されるのはヒスパニックや黒人。
強盗もヒスパニックだが、襲われるのは中国人。
財団のトップはインド系だろうか。

それで、主人公は白人かよ!?って思うのだが、武器持ってドンパチ襲ってくる奴も白人で、主人公より屈強でカッコ良さげにみえる。

たしかに、ダークヒーロー・勧善懲悪・娯楽作品で、リラックスして観たい映画だ。

しかし、ここにはアメリカを中心とした現代社会の縮図があって、作り手の問題意識や工夫、努力の跡を感じ取るぐらいはしてもいいんじゃないかと思う。

僕達だって、幼い頃は、漫画や、変身ヒーロー・戦隊ヒーローのストーリーに触れて、悪と戦うぞ!みたいな気持ちになったじゃないか。
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