とえ

BPM ビート・パー・ミニットのとえのレビュー・感想・評価

4.0
1990年代のフランスでエイズ患者たちの環境を改善するための活動(製薬会社に新薬の開発を働きかけたり、学校の性教育を促す活動をしたり)をしていた団体「アクト・アップ」のメンバーたちの思いや、活動の様子が描かれる

アクト・アップを構成しているのは、その多くがゲイで、その中でも、多くがエイズに感染しているエイズ患者であり、中には血友病で輸血によるエイズ感染者もいた

彼らの「活動」は、紳士的なものではなく、とても過激で、時には度を越してしまうこともあるけれど
当時は「エイズ患者=ゲイ=近寄るな」という偏見もあり
人目をひくぐらい過激に権利を主張しないと、誰にも注目してもらえず埋もれてしまうという恐ろしさがあった

しかし、そんな彼らの製薬会社や政府に怒りぶつけている姿を見ていると
これは、彼らの「人間らしく生きるため」の戦いなんだと思うようになった

エイズに感染してしまい、製薬会社や政府に立ち向かう前に、ゲイであるという壁を打ち破らないと前に進めない

差別や偏見があっても、エイズに感染していても
他の人たちと同じように
愛する人と愛し合い、デモに参加したり、クラブで踊ったり
楽しい日常を送りたい。

人間らしい人生を送らせてくれ
そんな風に彼らが叫んでいるように私には見えた

後半は、涙なくては観られない感動作だった
とえ

とえ