CHEBUNBUN

BPM ビート・パー・ミニットのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

3.5
【若者アクティヴィストの暴力性】
カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したフランス映画。日本では3/24(土)公開ですが試写会で一足早く拝見しました。

本作は、パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本家ロバン・カンピオが監督している。察しのいい方は、予告編のようなドープな音楽でイケイケドンドンACT UPパリの活動を描いた作品ではないことに気づくだろう。

その通り、本作は会話劇だ。予告編でフィーチャーされている製薬会社殴り込みシーンなどほんの一瞬。基本的には《M》と呼ばれるミーティングシーンでの討論が主軸になっている。

ACT UPパリはAIDSに対する正しい知識を社会に広める、AIDSの医療発達を目指し製薬会社や政府に圧力をかけることを目標にしている。しかし、50人以上の大組織、それぞれが独自の正義を過激に振りかざす者たち。どんどん統率がとれなくなっていく。

しかし、前に進まないといけない。この正義の葛藤がよく描けていた。東京国際映画祭の作品選定ディレクターの矢田部さんが酷評しており心配していたが、問題ありませんでした。

最後に、ACT UPパリの過激性は、連合赤軍やSEALDsとも繋がるところがあり、決して日本も他人事ではない。是非3/24(土)劇場でアクティヴィストの苦悩を体感してみてください!
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