haruka

BPM ビート・パー・ミニットのharukaのレビュー・感想・評価

3.8
中学生のときに、突然授業の予定が変わり、いまからAIDSという病気について説明すると言われた。
「Acquired immune deficiency syndrome、後天性免疫不全症候群。感染経路は性交渉、血液感染、母子感染…」先生が話し始めた言葉を、いまでも忘れてない。
この映画を観て、いま考えると、あれはたしか93年くらいのことだから、ちょうど彼らが戦っていた頃なのではないだろうか。
もしかしたら、いまでも忘れないあの授業は、彼らのおかげでもあったのではないだろうか。

アクト・アップの活動はとても過激で、思わず、それでなにかが伝わるのかと思ったりもしたのだけど、試写会後のトークショーで、「マイノリティの病気であると認識され、政府の見て見ぬ振りが過激で、病気の強さも過激で、彼らも過激にならざるを得なかった」と教えていただき、涙が止まらなくなった。
最後は、本当にここまでというような場面もあり、つらかったけど、これは全て現実にあったこと、という言葉が胸に響く。
仲間や恋人が、数え切れないほど死んでいく。いつものパーティに、でも、あの人はもういない。
誰も助けてくれない中、必死で行動した人たちに、心から感謝したい。中学生のわたしにも、その声が届いたこと。いまのわたしも、それを忘れていないこと。

ショーンが語った感染経路が、忘れられない。
haruka

haruka