アリョーシャ

BPM ビート・パー・ミニットのアリョーシャのレビュー・感想・評価

4.3
エネルギッシュで、登場人物にカメラが密着していて、それでいながら突き放しているような冷静さも感じさせるのが良かった。
彼らの活動をもっと、「正義」として描くことも、主人公を「ヒーロー」として描くことも出来ただろうに、この映画はそれをやらないのだ。
だから彼らは時にあまりに攻撃的に見えるし、主人公は傲慢なタイプにも見える。
しかしそんな姿を追うにつれ、彼らの持つ切実さ、生の感情が伝わって来て、私は彼らを本当にそこにいる人間だと感じた。私にとって好ましい面もそうでない面も含めて、彼らの生に心を動かされずにはおれなくなった。
これは前述のような「正義、ヒーロー」のような描き方では出来ない生々しさだったのではと思う。
無音のエンドロール、場内のあちこちでスン…スン…と鼻をすする音が聞こえていた。
アリョーシャ

アリョーシャ