Thatman

BPM ビート・パー・ミニットのThatmanのレビュー・感想・評価

4.2
1990年代のフランス、パリ。エイズの感染者に対する差別に抗議し、製薬会社や政府などに改革に挑んだACT UPのメンバーたち。
メンバーの一人であるショーンは同じくメンバーであるナタンと偶然キスをしたことにより恋に落ちる。しかし、ショーンは既にエイズに感染しており自らの死を悟っていた。

エイズがどんなに怖いものであるのかがよく分かった。
いくら会議や製薬会社への襲撃をしていても決まった時間に薬を飲まないといけない。いつ倒れてもおかしくない身体になってしまう。そして、生きる喜びを失ってしまう。
そのような人たちが差別を受けていることを知って、当時の政府や製薬会社が酷いやつらだったことが伝わってきた。
血糊で赤く染まったセーヌ川とショーンの息遣いがエイズ患者の心情そのものを表していると思った。

音楽が鼓動を表しているものだと思った。
無音のエンディングは正直ぞっとした。

高校生にぜひ観てもらいたい。
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