NEWおっさん

BPM ビート・パー・ミニットのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

4.0
「今一度エイズについて考える140分」

エイズを患う若者達をエイズ活動家団体ACT UPのメンバーを中心に葛藤を描く作品。監督が実際にこの団体に入っていた経験を元に書き上げたらしい。

エイズに関しての知識は疎いが、それでも見てて真に迫るモノがあった。ただ単にエイズは怖いですよで終わらすんじゃなく、時には製薬会社などとの対立、時には同じ団体に属するメンバーと衝突したり、そして団体メンバー同士の恋に発展したりもする。ゲイ・カルチャーという言葉も出てくる通り、同性愛についてもオブラートに包まなくストレートに描いている。

そして迫り来る死へと向かうカウントダウンの終盤。途中も何人か亡くなったりするのでキツい描写の連続。暗くて重い作品なので要覚悟。

しかし不満もあるなあ。まず長い。2時間半なんで映画としてはとても長いってワケではないが、抽象的な演出が多々ある側面もあってか所々テンポ悪いと感じた。あと序盤から登場人物がワンサカ出てくるので誰が誰なのか見分けるのに苦労する。途中からはメインの何人かに絞られてくるので大丈夫だったが。

タイトルが音楽用語で1分間に起こる拍数らしいが、心拍数にもかけているんじゃないかというトコロが憎い。エイズに関して真っ向から切り込むこの作品。他人事じゃない我々も一度は見てみては如何だろうか。