コーディー

それからのコーディーのレビュー・感想・評価

それから(2017年製作の映画)
4.1
怒涛の連続上映1本目。やっぱ好きやわ〜ホン・サンス!

重ねた嘘の中のひとつの真実で一点突破を試みる男の脆く不細工な自己防衛。そして弾かれれば黙り込むどうしようも無さに呆れながらも、こうも流れてる時間に差があるならもともと男と女は相容れないんだと力が抜ける。そんな諦めと可笑しみの絶妙な調和、これぞ監督の変態性!

キム・ミニ演じるアルムの不倫に巻き込まれ理不尽な状況に置かれても惑わず一歩引いて真理を見極める姿勢、怒りや呆れもあるけど人に対して諦めてない繊細なものの見方は不倫社長の鈍ったものとは雲泥の差。なのでアルムの瞳に映る理不尽は可笑しく、美しいものはより美しく映る。

ひたすら対話形式による横からの定点長回しやズーム、転換の音楽など独特な演出は今回も楽しい。スムーズな流れのようで不自然な時制、モノクロな映像もさらに曖昧さを強めてて人と人を繋ぐ時間なんて何の意味も為さないのかなって不安になるw時間を排したどこにでもある物語に吸い込まれた。

監督自身も不倫の末キム・ミニと愛を育んじゃったわけやし自分の不細工さやしょうもなさをわかってるんでしょうね。公私混同はどうかと思うけど良い作品なら良いw
チョン・ユミも良かったけど新ミューズ、キム・ミニが素晴らしかった。