シネフィル母ちゃん

ジュピターズ・ムーンのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
4.9
す、す、素晴らしい…(号泣)
エンドロール観ながら、クラクラしすぎてボーッとしてしまった。。
映画館からの帰り道、街ゆく人に「ジュピターズムーン……凄い…凄い…」と、話しかけたくなるほど!
ってか、映画館を出て夜空を見上げたら涙出てきたよ。
青年を探している自分がいた。

そんなわけで、私を骨抜きにしてくれた素晴らしい作品!
評価がイマイチだったので、観に行くのを躊躇った自分をひっぱたきたい!
SFエンターテインメントとして期待したら確かにガッカリする。
でも、事前に「社会派ドラマを軸にそこに宗教観や信仰を詰め込んだ作品」というのを予習してたので、めちゃめちゃ楽しめた。
お話のテンポ、カメラワーク、圧倒的な映像美、不安を煽る低音、難民問題、全てが最高潮のところで交差してた。

お話のテンポ→これぞ東欧!って感じの微妙な遅さ。でも退屈にはならない、すごく絶妙なバランス

カメラワーク→カーチェイスは「そのアングルできたか!」って感じだし、青年が宙に舞う時は今まで観たことない浮遊感の表現。
空からの映像が多いのでドローンで撮ってるのかと思ったら、全く使用してないらしくびっくり。

映像美→靴紐や血がゆっくり宙に浮かんでく映像が美しい!そして、青年が空を舞う時の映像美の破壊力といったらもう…。
とんでもなく芸術的で幸せな映像を体験できて私の眼球も震えてたよ!

不安を煽る低音→低音が流れるシーンになる度に心がザワザワしてしまった。これはダンケルクの時にも感じた不安感だった。監督ったら映像だけじゃなくて音楽を操る天才でもあるのか…すき…

難民問題→これは、ヨーロッパ全体の大きな問題なんだろうね。難民にも弱き者やテロをする者など色々なタイプがいて、だからこそ根が深い問題なんだと思った。


映画を観たあと、色々な人の解釈を知りたくなってネットサーフィンしてたら、聖書や信仰の解説もふまえて説明してる人がいて、それを読んだらさらにこの作品に深みが増した。
「あのシーンは聖書に出てくるあのシーンだったのか!だとしたら、青年が医師の頭に触るシーンは赦しの意味?」ってなって鳥肌立ちっぱなし。


いやー、本当に良すぎた。
欲を言えばIMAXで観たかった!!!!!
これこそIMAXに相応しい作品!

最高だったなぁ。
あと、監督はかなりのガチめの変態だと思った(めちゃめちゃ褒めてる)