さわら

ジュピターズ・ムーンのさわらのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
5.0
地に足をつけ、社会にしがみついて生きるしかない2人の中年男。厳しすぎるまた虚しすぎる現実を前にして、目の前に現れる浮遊した若者はまさに社会的弱者たちの夢想でなかったか。その夢がいつしか伝播する、幸せすぎるラストに涙が止まらないよ!
強いていえば、女性看護師の彼女にも、浮遊する夢を見せてあげたかった!とはいえ本作の超絶大傑作の称は決して揺らがない。愛しすぎていた!

前作『ホワイトドッグ』もそうだが、あまりに設定や展開が奇抜すぎて、誠に勝手ながら監督生命は短命に終わるのではないかと心配してしまう。それでも、多くの凡作よりも1つの傑作を生み出す予感しかしないムンドルッツォの鬼才ぶりには期待しかない。

いますぐ映画館で観よう!あぁ、好きすぎる!