chip

ジュピターズ・ムーンのchipのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
4.2
冒頭、シリア難民が命がけで越境してくるシーンから引き込まれる。船で渡ってきたが、国境警備隊に追われて、必死に泳ぎ着いた岸辺から全速力に逃げる、逃げる。ハンガリーの警備隊は、躊躇なく銃を撃ちまくりで…びっくり!必死に走る主人公アリアン!すごい臨場感でした。

父とはぐれた少年アリアンは、追い込まれて撃たれてしまう…その瞬間宙に浮かび上がる~

難民キャンプで、そんな彼と出会った医師シュテルン。医療ミスで患者を死なせてしまいお金に困っており、アリアンを金儲けに利用するのだか…

重力を自在に操ることができるらしく、空中浮遊の他にも、部屋の上下左右を回したりするけど…CGを一切使ってないそうだが、いったいどうやって撮影したのか?すごい映像でした。

そんな中で起こる自爆テロ、難民キャンプの混雑、混沌とした世界の現実を見た気がしました。

空中浮遊するアリアンは、純粋で美しくて、人々はうっとりと見ていました。シュテルンは天使と呼んでいました。
またこうも言っていました。「これまで地面と社会を這って生きてきたが、アリアンと会ってから見上げるようになった」と。

彼が、また人々が見上げたアリアンの中に見たものは、なんだったのだろう…自由、希望、救い、それとも…

ラスト、シュテルンは満足げな笑顔でした。ここで感動がこみ上げました。
chip

chip