ハンガリーの新星、コーネル・ムンドルッツォ監督が送る「カンヌが熱狂したSFエンターテイメント」……と予告にはあるがSFエンタメじゃないなァ～。監督の前作が101匹ワンちゃん反逆映画🐶『ホワイト・ゴッド』で、今作はシリア系の難民少年が宙に浮かぶ超能力をもって「天使」👼だと崇め奉るウス汚い医師の荒稼ぎに加担させられるファンタジー寓話で、エンタメ要素は充分あるものの「神は常に見ておるぞよ～神を思い出せ～」という宗教的説教臭さが鼻につくのじゃ。冒頭「何も信じてないのか」と問われた主人公が「信じてるさ、ハンガリーの復活をな」って答えるので、神聖ローマ帝国から神の威光を肩にドイツとロシアという大勢力の狭間に存在した一大国オーストリア=ハンガリー帝国時代を頭の片隅に常に思い描いているヨーロッパの古豪という国柄ゆえの作風なのかもしれないね。面白いというのとはちょっと違う変な味わい。
