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ジュピターズ・ムーンのkazataのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
3.5
以前から見たかったSFハンガリー映画をようやく鑑賞。
(最近ハンガリーでロケするアメリカ映画が多くて、見る度にハンガリーに行ってみたくなっちゃいますね)

貧困問題をはじめとしたハンガリーが抱えている諸問題をベースに、(製作当時)タイムリーな難民問題を絡ませて、そこに主人公青年を浮遊させることでキリスト教文化での“天使”のイメージに重ね合わせて、さらに木星の衛星の一つで“ヨーロッパ”の語源でもある“エウロパ”の「もしかしたら地球外生命体がいるかもしれない」というエピソードを無理矢理こじつけてまでして、そこに“希望”を見出そうとする……その姿勢、嫌いじゃないです。

後半〜クライマックスにかけてツッコミどころ満載でもったいないけれども、工夫を凝らした浮遊シーンや、ハンガリーでロケするなら「こんなことだってできるぜ!」な街中カーチェイス・シーンですら好感持てます。

“神の前で人はみんな平等でしょ”と説きながら、「最近、神(的なこの世の真理)を“見ようとしない”人が多いんじゃないの?」と観客に対して投げかけるようなラストカットに至るまで、終始心地よい“ドヤ感”が漂う作品でした。

(主人公の年齢をもっと低くして、かつ恋物語も描いてくれたならもっと絶賛できたのにな……)
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