emily

2重螺旋の恋人のemilyのレビュー・感想・評価

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)
4.0
双子をテーマにしたエロティックサスペンス。

フランソワ・オゾン監督らしい計算された空間づかい、色彩の美しさ、会話の間をうまく利用して、巧妙なサスペンスに誘う。

双子とはその存在が奇跡であり、その人間の二面性を見事に交差させ、異次元の空間を作り上げていく。パーソナルなギリギリのラインまでカメラは食い込んで行き、壊れるギリギリの繊細な心情を幻覚や夢と交差させる。

先が読めない展開、グロテスクな映像までもがアートとして成立する、絶妙な配置。鏡や螺旋階段が意味深に心情をえぐってくる。現実ではないキャラクターが、よりリアルに仕事をし、しっかり結末に向けて回収していく。

突き放されたような、それでいてどこか心地よさを感じる、見直すたび新たな発見があり、真の自分と向き合うことを余儀なくされる作品。
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