このレビューはネタバレを含みます
ブツ切りの編集と、
毒々しい音楽と、
ホアキンとホアキンとホアキンが
最高だった。
ホラー映画の演出でやったノワールって感じだ。
コレは今年ベスト10入り決定。
何が起きてるのかをいちいち説明しない所が好き
ホアキンの過去のトラウマはフラッシュバックとして部分的にしか描かれず、回想にはならない。
でもわかるじゃん。少年時代に暴力的な父によってトラウマを抱えた事や、軍人として戦地でエグいものを見てきてそれがトラウマ化してしまっていることが、十分に分かる。
そういう所が上手い。
フラッシュバックの感じもさ、
フラッシュバックなんかあらゆる映画やドラマでやり切ってるのに、なんか他とは違うフラッシュバックになってた気がするんだよなぁ。怖いんだよ。本当にこれぞトラウマって感じで、急に大音量でバンッ！て入ってくる。ノイズと共に。一瞬だけ。
説明しない所のもう１つが、
これは警察や政治家までもが絡む汚い世界なんだということを言葉でいちいち説明しない所。
そんな汚い世界広がってるなんてこっちは思ってないから、え？え？って驚くんだけど、その向こう側の世界をくどくど説明したりしないじゃん。でもその向こう側の世界は確実にあるんだって事はほのめかす。
それが上手い。
襲撃してきた奴が警察官だった時も、「なんてこった！警察もグルか！ファック！」とか言わせない。そこは警察官の制服をチラッと見えるようにカメラを動かすだけ。それを見た時の観客はゾクッと背筋が凍る。こういう塩梅が非常に上手い！！わかってる！！
ニーナ救出のシーンは、緊迫したシーンに出来るのに、あえて複数の監視カメラの映像で構成されてるのも好き。
自動で複数の監視カメラ映像が切り替わる感じ。あの見せ方は新鮮だった。
以下トリビア
ホアキンは役作りとしてまず重量したらしい。
筋肉をつけて、その上に肉が付いた中年オヤジ感を作り上げたらしい。
あと今作で始めて、監督自身に合わず、出演を決定したらしい。
監督はホアキンに花火と銃声が混ざった音ファイルを送ったらしい。これがジョーの頭の中で起こっている事だと。
原作ではグローブやガジェットなどもっと多くの小道具をジョーは使うが、ホアキンのアイデアによりそれらを取り除いた。
