水のまち

ビューティフル・デイの水のまちのレビュー・感想・評価

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
4.3
あと幾つ数えたら、別の世界へ行けるのだろうか。1%の人々の欲望のために、残り99%の誰かの血がいつもどこかで流れる現実。体内の赤い血は出血すれば見えるけど、傷つき、破裂しようが、心の血は外に流れることなく、色もまだない。だけども、彼女は聞こえないはずの銃声を聞きつけて、今日は「美しい日」だと教えてくれた。

事件現場にも、現実にもいなかった、二つの意味が重なる深みと、偶然性で成り立つことを皮肉るような時間軸をみせる編集の冴え。実社会の不協和音を体現したような音楽も刺さる。
水のまち

水のまち