ギルド

ビューティフル・デイのギルドのレビュー・感想・評価

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)
4.7
暗くて悲しくてバイオレンスで心理描写の惨い映画だけど、どの要素も素晴らしく描いた作品です。特に心理描写は主人公ジョーの生と死の瀬戸際の描写や回想シーンの使い方が秀逸で、脆くて不完全な姿がもう心動かされました!

 最後のシーンも王道で攻めるのではなくて、暗い顔だったニーナがいつもと少し明るい表情でふわっと言うメッセージにシンプルだけど、そこにこそ希望があることが温かくて余韻が強く残りました。そんな気持ちにさせてくれたキャラクターとストーリーが秀逸だと思います!

キャラクターが主人公・ヒロイン共に際立ってたと思います!
ニーナ演じたエカテリーナ・サムソノフが凄い。天使のような可愛さと大人っぽい魅力を兼ね備えていて貫録を感じる。でも奥深くに性的虐待によって中身がボロボロになってるところが見ててショッキングでした。
一方で、ジョー演じたホアキン・フェニックスが人間味があって好きです。過去の虐待・戦争で見かけた凄惨な出来事で痛みを経験し、悲しみを背負っているところ。その結果、見た目もボロボロで不完全で脆いところが人間味があって凄く好きでした。

 ストーリー自体は目新しさは特になく、似た者同士が絶望的状況下から希望を見出そうと抗う物語。なんだけど、「人は幸せになれるのか?」という普遍的なテーマを暗いトーンで見出そうとするのがカッチリはまっていたし、それを引き立てる音楽や映像もオシャレで素晴らしい一本だと思います。
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