うーん、ハードボイルドですねぇ。
ホアキン・フェニックス主演の殺し屋ものと聞いて食いついた作品。観る前はジョン・ウィック的なものを想像しましたが…。
強い殺し屋のアクション作品というよりは、心の弱さを持った殺し屋の内面の苦悩を描いた作品でした。
元軍人のジョー。戦場での体験や幼少期の虐待の記憶などから、心に傷を負い、勤務していたFBIも辞め、今は行方不明者をあらゆる手段を使って見つけ出すスペシャリストとなっている。
そんなジョーに来た依頼。ニューヨークの議員からで、誘拐され高級売春宿で働かされている娘を連れ戻してくれ、というもの。
その売春宿から娘を連れだすことは困難と判断した議員が、凄腕という噂のジョーに仕事を依頼してきたのだ。
ミッションはやっかいだったが無事娘を売春宿から連れ出すことに成功するが、その直後依頼主である議員が何者かに殺されてしまい…。
ってお話。
ジョーはスタイリッシュでかっこいい殺し屋でなく、ハンマーを振り回し武骨にミッションをこなしていくタイプ。心に闇を抱えてるため表情はいつも暗いし、年老いた母親との二人暮らしのプライベートもどんよりしている。
つまり、ジョーの楽しそうなシーンは出てこないのだ。
一方でジョーに救い出される娘・ニーナも家庭に問題があり、今の境遇も加味して、ほとんど言葉を発することはない。
全体にセリフは少なめ。必要最小限の言葉で物語は進行する。
途中途中にジョーの夢なのか幻覚なのか、夢うつつなシーンが挿入されたりする。
そして、ラストの意味は…。
びっくりさせつつ、様々な解釈ができる印象的なラストシーンでした。