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ラブレスのILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
3.5
原題『Нелюбовь』 (2017)

監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ、オレグ・ネギン
撮影 : ミハイル・クリチマン
編集 : アンナ・マス
音楽 : エフゲニー・ガルペリン、サーシャ・ガルペリン
出演 : マリアナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン、他

離婚が決まり、一人息子を互いに押しつけ合う身勝手な夫婦を主人公に、その息子の失踪という事態に直面した夫婦の姿を冷徹な眼差しで描き出したサスペンス映画。

「離婚」をモチーフに、現代社会に蔓延る「無関心」を問いかけた作品。

ボリスは愛人との間に設けた新しい"子ども"を邪気に扱い、「Russia」と大きく書かれたトレーニングウェアを着てるジェーニャの表情で終わるラストは、国家、そして現代社会を痛烈に風刺しているかのよう。

作中、唯一の"希望"の役割を担う、献身的で自制心の効いたボランティ救助隊が寒色系の画面が作中全体を支配する中、対照的なオレンジ色のベストを着ている演出は川の中は捜索出来ないという限界を描いている点も含めて巧い。
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