ひでG

ラブレスのひでGのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0
YouTubeなとの映画紹介で、最近よく聞くフレーズ

「胸糞映画」

本作や「ミスト」「ダンサーインザダーク」などかそれにあたるみたいだ。

僕は、このフレーズは使ったことがないし、嫌いだ、、

まあ、「胸糞」については、ここでは言及しませんが、
後味だけで、映画をジャンル分けするのは意味がないと思います。

僕は、この映画、単純に、好きです!

って、書いたあとに、本作の監督
アンドレイ・ズビャギンツェフの作品群を眺めてみると、
「エレナの惑い」「父帰る」が出てきて、
びっくり‼️

2作とも超低評価。完全に「胸糞〰」にはまっているやんか💦


夫婦喧嘩なんてもんじゃない、この不仲

もう既に別々の相手がいるので、夫婦という法的なかたちだけ。

でも、2人は夫婦でなくなっても、
一人息子の親としてはなくならない、はず
なのですが、、、

本筋とは別に劇中に流れるニュース映像かとても気になった。

ウクライナの戦争に関するニュース。
今年、たくさん聴いてきた内容、いや、
ちょっと待てよ、ウクライナ軍の空爆を非難するニュース、、?

本作はドイツなど4カ国と共同にロシアが絡んでいる。

ということで、いつものネット調べ。
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督自身のインタビュー記事が見つかった。

とても興味深かった!

(長いので略して)アンドレイ監督の言葉
を引用します。

「この映画は2012〜2015年が舞台。この間はある種、ロシアにとってはクライマックスの時期。
2012年、プーチンが再び大統領に、
2014年、クリミア併合。
ロシアはこの時、希望。失った。

かつて、社会には希望があった。子どもたちなも未来があるだろうと、信じていたが、、、」

この監督のインタビューを読むと、

本作をさらに深く感じる。

本作には、希望が見えない。

愛も見えない、いや、愛なんて最初から存在していたのかとさえ思えてしまう。

本作のあまりにも可哀想な一人息子。

子どもが親を選べないように、
ほとんどの国民は国を選べない。

この映画では、誰も何も得ていない。
失うだけ。いや、手にしてもいないのだ。

こーゆー社会に生きる人たち

こーゆー国に暮らす人たちに、明日は希望はあるんだろうか。

本作はセリフでそのことを伝えない代わりに、
恐ろしいショットによって表していく。

夫婦がある場所で2人並ぶ絵柄は、さながら処刑台で死の執行を待つ人のようだし、

夫婦が互いに子どもの養育をなすりつけるのを聴いていた子どものショットは、
安いホラーの何百倍も恐ろしい。

ラストのポスターも実に虚しい。

救いのない、感情の逃げ場のない映画だ。

確かに「胸糞」なのかもしれない。

でも、確かに世界には「胸糞」も確かに存在するのだ。

そしを知り、感じるのも、僕が映画を観る
理由の一つだと思う。

自分が低評価を下した2作を観直してみたい。
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