たろ

ラブレスのたろのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
3.1
試写会にて。失ってから初めて気付くというレベルではない。絶望と募るばかりの登場人物に対しての苛立ち。救いや光なんてただの一つも見えない。見たら必ず心がしんどくなるので見る前にそこだけ覚悟してから見ると良いかも。

離婚が決まっている両親に一人の息子。家庭環境は最悪の一言で、息子が親に対してグレているとかではない。両親側が息子を邪険に扱ってる。どちらが引き取るのか。新しい彼氏と共に次の人生を歩みたい母親、もう妊娠もしている彼女との第二の人生を歩みたい父親。お互いが自分の未来をやりやすくしたいがために子供は引き取りたくない。だからといって子供の全ては否定せず、少しばかり心配をしているような装いでお互いがお互いに押し付けては怒鳴り散らす。

それを隠れて聴きながら声をださずに大泣きする少年に映画が始まってすぐに心が折れた。

こんな感じで始まっていった映画に、開始数分で「あ、これやべーやつだわ」というがすぐにわかった。

息子が失踪してもSNSで写真投稿をし続ける母親。絶望しながら、息子を必死に探そうとしながらも手放せないSNSは現代病のひとつだと思った。飛び込み事故とか、不謹慎な場でも写真を撮り投稿してしまうような人の感覚だった。


《 ここから少しネタバレあり 》





自分のことしか考えない、面倒ごとはなるべく避けたい、そもそも両親側にお互いに愛がないから、子供に愛がない。

産まなきゃよかったと、なぜ産んでしまったのかという母親に対してはある意味の同情すら感じた。子供を産んだからって母親にはなれなくて、自分がお腹を痛めて産んだからって愛せはしない。難産で陣痛がひどくて1日がかりの出産で生まれた子供の顔を初めて見たときはゾッとした。そう語った母親の気持ちが、わかりはしないけれど完全否定もできないと思ったから。

父は父で何もしない。完璧な駄目男。相手を心配するふりをして結局は自己防衛に徹する。

失踪した息子の安否も、助かったか助かってないのかもわからないラストでもやもやが募りました。個人的にはこのまま見つからずに、他の場所でこの両親から遠い場所で幸せに暮らしてて欲しいです。