身勝手な愛を求める父と母の間で、こぼれ落ちてしまう小さな命の物語。
原宿クエストホールの試写会にて鑑賞。
本当に、本当につらい127分間だった。
こんなにずっとつらかったのは初めてかもしれない。
描かれるのは、全く同情の余地のない、最低な父親と母親の姿。
彼らの言動には共感できないどころか、怒りばかりが増長していく。
しかし現実で起きているたくさんの事件を考えれば、これがただのフィクションとは言いきれないことに気づく。
本当につらく苦しい物語だが、だからといってこの作品がつまらないという訳ではない。
むしろそこには細部までこだわり抜かれた演出があり、絶妙なカメラワークには最初から最後まで心を掴まれた。
さらに音の使い方が非常に効果的で、全身が不安定になるような感覚がした。
とにかくあらゆる面で徹底していて、監督のブレない信念というか、執念に近いものを感じた。
世界の終わり。どこかの国の戦争。
愛って、幸せって、なんだろう。
何だかとてつもないものを突きつけられたような気がする。