ミチ

ラブレスのミチのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.5
身勝手な愛を求める父と母の間で、こぼれ落ちてしまう小さな命の物語。


原宿クエストホールの試写会にて鑑賞。


本当に、本当につらい127分間だった。

こんなにずっとつらかったのは初めてかもしれない。


描かれるのは、全く同情の余地のない、最低な父親と母親の姿。

彼らの言動には共感できないどころか、怒りばかりが増長していく。

しかし現実で起きているたくさんの事件を考えれば、これがただのフィクションとは言いきれないことに気づく。


本当につらく苦しい物語だが、だからといってこの作品がつまらないという訳ではない。

むしろそこには細部までこだわり抜かれた演出があり、絶妙なカメラワークには最初から最後まで心を掴まれた。

さらに音の使い方が非常に効果的で、全身が不安定になるような感覚がした。

とにかくあらゆる面で徹底していて、監督のブレない信念というか、執念に近いものを感じた。


世界の終わり。どこかの国の戦争。

愛って、幸せって、なんだろう。

何だかとてつもないものを突きつけられたような気がする。
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