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ラブレスのsssのネタバレレビュー・内容・結末

ラブレス(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


すげぇ映画見ちゃったな。。

これ、ゴーンガールやブルーバレンタインに対するロシアからのアンサーって感じの映画だよ

ゴーンガールやブルーバレンタインよりも、鋭くて、意地悪で、いちまい上手。

描くものが真理であり、
そこら中にある現実だから、
この冷え切った夫婦を見てると、
あぁわかる、こういう風になっちゃうんだよなぁって。
見覚えあるし、身に覚えもあるし。。

もうとにかくキツイ!
こういうの本当イヤ!
って思うくらい、人の嫌〜な面を見せられた。
これ作ったアンドレイ監督、
怖いくらい凄い。

つまりさ、人と人とが分かり合えない事、
お互いを理解する事の不可能性、
そういう事を描いてると思うわけ。
で、それが夫婦関係だけでなく、母子関係とか、民族同士の事までね。


息子の失踪劇と見せてるけど、
それは単なるキッカケ。
マクガフィンでしかないわけ。
だから最後まで息子の行方はわからぬまま。


もうとにかくこのスマホばっかいじってる妻が最悪すぎて。
「幸せを渇望し愛を見失う」ってコピー、正にだよ。嫌いだわー。

鼻っから攻撃態勢で、何言ってもどうせブチギレんでしょ?って感じ。もう病気だよあれ。
ギャンギャン騒ぐ感じは母親もそうだし。
遺伝だよねあれもう。
あの母娘すげー嫌だ。
あの2人の関係は、理解の不可能性だよ。

しかも愛人の前ですっかり女になって、馬鹿みたいに自分の事語り始めたりして。
嫌いだわーー

旦那も最悪で、
お前なんでこの状況でこんな音楽かけてんだよ!てか窓閉めろよ!って。
そりゃー嫁もブチ切れるわ(キレすぎだけど)
てか嫁が切れるのわかってんのに何でそんなことするかね。
自分で言ってて耳が痛いけどね!笑

そして夫の愛人のタイプがね、お前ってホントこういう女好きだよな!!ばっかじゃねーの?!って言いたくなる感じ。
もう愛だの何だのってうるさくて、恋に恋しちゃってるタイプの女ね。愛されたがりの女ね。
こんな女と一緒にいたら二の舞になるの明らかじゃん!
ま、妊娠中でまだ相手は離婚してないんだから当然っちゃ当然なんだけど。

ラストは案の定だしね。
旦那は子供投げてるし、
嫁もすっかり冷めてスマホいじってるし。
つまり、お前ら繰り返すぜって。。
はぁ、もう夫婦ってホントやだ。

ロシアの内紛のニュースが映画内に流れてるわけだけど、それとあの夫婦の関係とかさ、通じてるぞって事で。
ラストに妻が着てるロシアって書かれたジャージなんかも、皮肉だなぁ〜。

宗教の面も描いてて、
夫の社長と、妻の母は信仰深いキリスト教徒でしょ?
なのにあれだよ。
社長は独裁的で不条理だし、
母は狂気だし。
え?ホントにキリスト教徒?
優しさとか慈悲とか無いじゃん!笑


もうホント、この映画、エグい!
生きるってホント嫌だよね!って思っちゃうわ笑

でもね、こういう現実に対して感じてしまう虚無感とか、諦観ってのは、生きる上で重要なんだよ!
だから素晴らしい映画だと思うよホント。



以下、メモ

今作、ダルデンヌ監督の制作会社が参加してくれたと監督がインタビューで喜んでいた。
うん、ダルデンヌ監督と同じ畑の感じだよな。

ロシアでは反米意識が主流なため、ロシアではアカデミー賞ノミネートは名誉とみなされにくいらしい。

ベルイマンの「ある結婚の風景」をリメイクしようとしたが権利が降りなかった為、オリジナルで今作が生まれたらしい。

廃墟のシーンでは、雨漏りや水溜りがあって、無機質なコンクリートの壁が、確かにタルコフスキーの「ストーカー」ぽいと感じた。
自然描写にも同じことが言える。
sss

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