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ラブレスのsonozyのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0
2017年、ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ脚本/監督作。
英題: 『Loveless』(愛なき世界/愛の不在)
撮影監督: ミハイル・クリチマン、音楽: エフゲニー・ガリペリン
カンヌの審査員賞など受賞。
(もともとは、イングマール・ベルイマンの『ある結婚の風景』のリメイク版として製作を計画していたものとのこと)

『父、帰る』『裁かれるは善人のみ』もまだ見れてないのでこの監督は初観賞です。

一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャ夫妻。ロシアの富裕層という感じでしょうか。
離婚協議中で、それぞれ別のパートナーがいる。(ボリスには既に妊娠中の若い彼女、ジェーニャには裕福な歳上の男)
12歳になる息子アレクセイをどちらが引き取るかで言い争うエゴの塊のような夫婦で、両親の口論を聞いていたアレクセイは一人涙し、ある朝、学校に出かけたまま行方不明になってしまう(夫婦がそれに気付くのも失踪2日目。。)。

夫婦のエゴと憎悪、ジェーニャの母(アレクセイの祖母)も最悪。

ジェーニャはいつもスマホ片手にSNSだし、早く今のマンションを売りたいし、ボリスもジェーニャも新たなパートナーとのSEXに夢中・・と、アレクセイの気持ちなんてまるで考えてないんです。

必死で捜索してくれるボランティアチームと共にアレクセイを探すシーンではさすがに親としての愛情も垣間見えますが・・

夫婦の在り方、親子の在り方・・・
エフゲニー・ガリペリンによるピアノの激しい旋律と共にずっしり重い作品でした。
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