ラブレスのけんたそのレビュー・感想・評価

愛を与えることのできない人間が愛を求めることの滑稽さ。
親権の押し付け合いをドアの陰で声を押し殺して泣くしかない少年が、翌朝最後の希望さえもいとも簡単に打ち砕かれる一連のシークエンスの不遇さと不条理さには心が痛く腹立たしさを覚えた。
救いのなさをそのまま表すかのようなロシアの寒空や雪景色、叩きつけるようなピアノの音も印象的