コーディー

ラブレスのコーディーのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0
昨日に引き続き、これまたヘビーな映画でした。
誰からの愛も受けられず突然失踪した少年とこの期に及んで親になれないどうしようもない親の物語。
ロシアという国や人がどうこうではなく、この寒々とした風景を捉えた映像や一切の温もりのない人と人との関係の重なりに心底冷え込む。さらに打たれるピアノの旋律も強烈に不穏を煽る。

とり返しのつかない事態が起こるまでならともかく、それを経ても改心できない人間。イライラをとっくに通り越して憐れでした。親になる覚悟とかの話じゃなくて一度も親になってないんやからもうどうしようもない。
自分の保身や幸せを貪欲に追うのも良いけどそれなりのリスクや責任を背負う気ないなら身勝手の極み。泣き顔を最後に消えるアレクセイが焼き付いて離れなかったです。
この夫婦の本音がどこにあるのかは定かじゃないけど自分のクソな部分を棚に上げ周りに当たり散らす。ここからも何も学ばないならこの先も同じことの繰り返しやと思う。せめて愛を持ち合わせてないってのを自覚してくれ。

とは言え、‪垂れ流されるニュースのようにこの冷たさにも慣れかねないってな怖さ、この映画を珍しい話じゃないって思ってる時点で危険なのかも。
いやいやこんな無感覚人間にはならねえ〜ぞ〜w