ラブレスの作品情報・感想・評価

「ラブレス」に投稿された感想・評価

HeroM

HeroMの感想・評価

3.8
画面から伝わってくる冷たさ。
厳しい冬の景色と大人たちの眼、態度。
思わずゾクッとする温度感を醸し出す演出が素晴らしい。

真実はどうなのか、人間性とは何なのか、善悪とは、愛とは。

元夫婦の気持ちも分かる、分かってしまう。この問題にただ感情論で否定するのではなく、観客の不快感や倫理観に直接訴えかける。

道徳の失われつつある現代に問題提起する。映画の力を強く感じる作品。





木に引っかかった紐なんて1つしか思い浮かばない。
マナ

マナの感想・評価

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あの年齢で両親ともに愛されてないと分かったらそりゃあ失踪しますよ。子どもが自立するまでの人生を保証できる親だけが子ども作るべきだと思うけど、それじゃ世界滅んじゃうよね。
アレクセイを散々な扱いした割に失踪したら必死に捜索し始めるのが謎だった。だったら最初から押し付けあったりするな、と。普段から愛するのと失踪後に必死になるの違いとは何だ。倫理感か。要らない子扱いするなら失踪しても放置しそうなのにそこで奮起するのよく分からない。
悪いのは両親だけど、どちらともに事情があるから彼らを責めてもしょうがないと思っていたが、死体保管所のシーンでお母さんが死ぬほど嫌いになった。間違いなく失踪の理由の一端を担ってるくせに、自分一人は悪くないような発言をしてお父さんに当たり散らす。ドン引き……。誰かを責任持って愛せるような人間じゃないのよ貴方……。
せれん

せれんの感想・評価

3.5
フレンチ映画も暗いものはだいぶ鬱感強めだけど、ロシア映画のこの雰囲気は特に凄まじい鬱感を感じる。

本当に子供が可哀想。
産むんじゃなかったとまでいったくせに焦って泣いて、無責任にもほどがある。
父親はどこか他人事。
この話はすごく生々しくて、実際にこんな家族どの国にもいるのだろうなと思う。
終わり方もすごく胸くそ悪い、でもそこが生々しい。

生々しいが故に、映画にしたときに、退屈に感じる人もいるのかしれない。
個人的にはこの世界に入り込めたのでそこまで長くは感じませんでした。

とにかくロシアの風景、廃墟の美しさは格別で、その点はすごく良かったです。


2019年49作目
静かで暗かった。
これがロシア映画なんですか。

"無関心"って確かに怖い、冷たいね。
周りが見えてないのか、
自分のことしか考えられないのか。

ボーッと見ちゃったから退屈で長いなと思ってしまったが、
展開がどうこうではなかった。

てか子供がいなくなったっていうのに、
あんな適当に接してて急に焦って心配したり
身勝手すぎるね、二人とも。
そして結局変わらないのね、ダメだね。

すごく悲しかった、最後。
朱音

朱音の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

離婚寸前の冷え切った夫婦と、そんな両親に見捨てられた子供が失踪し、行方不明になるというこの物語を通じて、アンドレイ・スビャギンツェフ監督は、利己保身と他者への無関心が、やがてはコミュニティと、そして自らの幸福をも破滅させるという様を、極めて冷徹な視点で端正に描いてみせた。

子供の失踪という事件に直面したことで、両親がそれぞれ自らの行いを省みて、悔い改めるというドラマはこれまで数多く見てきたが、本作で描かれる夫婦にはそのような場面がひとつもない。
というよりこの映画で描かれる登場人物たちには葛藤がない。
視線を交えず、言葉を交わさず、思いを馳せず、ただひたすらに自己憐憫の欲求とエゴイズムをぶつけ合っているばかりである。
その対象が幼い子供であったとしても容赦がない。
不倫相手の元から朝な夕な帰ってきては、口汚く罵りあう様は実に醜悪なものだが、修繕不可能な人間関係の末期を如実に再現していると言えよう。
こんな環境に日々晒され続けているアレクセイの心情を慮ると胸が抉られんばかりだが、それが極に達するのが、離婚後の2人のそれぞれの生活に彼の存在が不要であるという事実を突き付けられた、トイレでの無言の慟哭シーンのあまりの惨たらしさは強烈に目に焼き付いている。
これをただ胸糞と一瞥するのは容易いが、しかしこのドラマは非常に卑近で実在感のあるキャラクターと、自然でリアリティのある会話、そして誰の心情にも寄り添わない客観的でドライな演出によって、この上ない信憑性をもたらしており、それはまるで私たちの現実と地続きになっている、それこそ隣人のドラマとすら錯覚させられるほどの近似性を感じる。

ジェーニャの母親の描写によって、終わりのない負の連鎖のようなものが脈々と受け継がれてきた事が示唆されると、帰りの車中で口喧嘩の勢いに任せてジェーニャはこの結婚生活の裏にあった自身の心情を吐露する。
もうね、絶句する。こんなことパートナーに言われたら、私だったらもう生きるのが嫌になってしまいそうだ。

アレクセイと、彼の失踪は謂わば舞台装置のようなものであるが、この物語では失踪してから最後まで不在のまま終わる。
遺体安置所で対面したその亡骸がアレクセイ本人ではないと否定するシークエンスではいくつかの異なる解釈をする事も出来るだろう。
例えばアレクセイが死んだという事実を受け入れられず、別人だと思い込もうとしている、とか。
そして観客が無意識の内にドラマに求めるもっともらしい「答え」や「結末」もまた本作では描かれない。
正確な安否も、死因も、行方も、動機も、心情も何もかもが不明のまま物語が終わり、映画の冒頭で彼が戯れに頭上の木枝に放り投げて、ぶら下がったままのリボンのついた棒きれが暗示する通り、風化し、誰にも気付かれないまま忘れ去られるのだろう。

事件のあと、ボリスとジェーニャはそれぞれ新しい家庭生活をスタートさせるが、あんな事があってもなお、彼らは利己的で無関心であるその在り方を改めようとはしない。
それぞれがそれぞれにまた同じ事を繰り返すだろう。

このラストの底知れない不気味さ、空虚感が凄まじい。


カーラジオから流れるマヤ歴の終末黙示録の件や、ラストにTVに映されるウクライナ内戦勃発のニュースなど、それらのシーン自体は印象的であるが、いまいちそのメタファーが掴みきれない。
TVの向こう側で起こっている出来事をスマホ片手にぼんやり見ているという構図を描きたかったのかもしれない。
これらに関してはスビャギンツェフ監督の過去のフィルモグラフィーから表現の方向性を拾ってゆく他ないだろう。

子供の失踪事件に警察があまりに無関心なのも気になる。民間の捜索隊に丸投げってなんだそりゃ?
ロシアでは普通なのだろうか…。
その民間の捜索隊といえばまるで軍隊の様に規律と指揮系統がしっかりしていて、黙々と捜索任務に携わるその姿は、本作に描かれるたくさんのダメな大人たちの中にあっては崇高に感じられる。
実際そういった作為は対比としてあるのだろう、森の中での捜索シーン、子供の名前を呼ぶ掛け声など、どこか殉教的な美意識を感じさせる。

構図の美しいショットが多く、広い空間を引きで捉えた中に人物同士の距離感を表現した絵作り、寒色が多用され、寒冷地のロケーションと相まって、キンと冷えた空気感が全編に張り詰めている。
巧みなフレ―ミングと豊かな暗喩表現は詩的で雄弁、この映画をより端正にしている。
寒い・・闇が迫る夜に降りつづける雪・・夫婦の仲も冷え切っている・・寒い❄️
こう云うミステリー🎬実は大好きなんです。


離婚を決めた夫婦、お互いに新しいパートナーがいる。

でも、二人には12歳の男の子がいた。

離婚後は、どちらも引取る気持ちは無く、お互いになすりつけあうクズ夫婦。

そんな折、両親の気持ちを知った子供は心を傷めて、失踪してしまう・・必死で捜索するが、見つける事は出来ない。


前半の夫婦が新パートナーと過ごすシーンには、身勝手感満載で見事なくらいです。
そして後半の捜索シーンは、ワクワク感満載で期待して観ました。


しかし子供の行方は結局は判らない‼︎

子供は何処へ⁉︎

雪が舞う街、深い森、廃墟ビル、全てがミステリーです。
切身

切身の感想・評価

3.5
ラブがレスっていうより、人間性がレスって感じ。
おそらくこれはもはや病気なので、新しい家庭を築いたとしても結果は同じになるだけ。歴史は繰り返す。

ロシア映画、暗いな…。
sally

sallyの感想・評価

3.3
辛すぎる
こんなの辛すぎる

レスがすぎる

誰も彼もがなんらかの愛情が欠落してて観ていて辛い。

自分勝手な人の子供辛いね。けど、そうなってしまった原因はなんだろう?って、母親の実家に戻ると見えてくるもの。
いつからその連鎖は始まったのだろう?
どうやったら止められるのだろう?

ただ、大好きだと抱きしめてあげるだけ。それだけで、愛なんて伝わると幸せな家庭に生まれてこれた私なんて思っちゃう。

でも、誰かが、抱きしめてあげることはとてもとても大事なことだと思う。
わざわざ映画にする意味がない。

もしかしたら文学として文字だけでの叙情的な表現が上手ければその侘しさや虚しさを味わうことで成り立つのかも知れないが、映像としてまとめ上げるときにこの仕上がりでは無機質過ぎて鑑賞する意味を見出せない。

丁寧で硬質だけれど、映像表現すら"Loveless"で血の通ってない作品。

造りも中身も、という血の通わなさの貫徹ぶりを評価しろと言うなら出来なくもないけれど、そこに意義を見出すのは私にとっては至難の業。
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