kyoko

若い女のkyokoのレビュー・感想・評価

若い女(2017年製作の映画)
3.6
彼女は一体いくつなんだろう?
と思っていたら、えっ、31歳……そりゃ、私からしたら31歳は若いけども。その顔はまるで疲れたオバサンみたいだった。

嘘つきで手癖も口も悪い。
半面片づけ魔で、ホームレス同然なのにゴミの分別はきちんとやる。
なにやらめんどくさそうな31歳。

21歳からの十年間を捧げた男(オッサン)に捨てられ、疎遠になっていた母親からも拒絶されたポーラの顔はときおり迷子の子どもみたいに幼く見えるときがある。
電車で出会った女、シッターとして住み込んだ家の子ども、職場の同僚……一瞬でも通じ合えたように見えた人々は、彼女の前をただ通り過ぎただけにすぎない。


31歳という年齢は、女(に限定していいかどうかわからないけど)をこれ以上なく不安定にさせる年齢だと思う。
でもまだまだ若木のような伸びやかさも持っている。
ラストの彼女の決断に倫理的な感情が全く起こらないと言えば嘘になるけど、彼女の顔がびっくりするほど美しくて、不思議な爽快感が残る作品だった。
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