ニクガタナ

ラッキーのニクガタナのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
3.5
秋だからか、なんか枯れたものを観たくなって、また老人もの。歩こう歩こう歩くの大好き。「パリ・テキサス」でもやたらと歩いていたが、本作が遺作となったハリー・ディーン・スタントン演じる本作の主人公ラッキーもよく歩く。とは言え近所だけ、ルーティンで。1人で死んでいくと言う覚悟が見える主人公の老い様は、愛しくはないが死に際を感じさせるリアルな枯れ具合に迫力がある。デヴィット・リンチ演じる友人が飼っていたリクガメが逃げたこと、行きつけのコンビニ店主の子供の誕生パーティーに出るくらいで特にドラマティックな事は何も起きない。「死」がテーマなんだろうが、本人の気づきが何なのかよく読み取れず、老いも良いもんだと言う感動には至らない。彼を見守る地域の人々は皆優しく、小ネタでじわじわ滲み入る魅力はあるが、ここ2年くらい名作ジジイ劇場をたくさん観ていて少し期待値が上がってたせいかどうもボンヤリした印象でノリ切れず。終い方もよく分からず。よくこれを映画にできたもんだ。ラッキーだったのかな?
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