有楽町ヒューマントラストにて。キャパ６０人程度の小さな小屋には若年層やや優勢で７割超えの入り。独居老人の淡々としたルーティンを描いた枯れた作品。少子高齢化時代、この手の老人ムービーは一つのジャンルになるのではないか。H・D・スタントンといえば≪パリ・テキサス≫だろうが、初めて意識したのは≪エイリアン≫だった。むかしから老け役ですな。我が日常は作中の主人公とさして変わることなくバーが劇場になるだけである。確かに孤独と孤高は違うだろう。神の存在を信じようが信じまいが死ねば虚無しか残るまい。味わいのある歌声と含羞の笑顔は観た者の記憶に長く残るだろう。癖のある名脇役に合掌。
