老人文学があるように老人映画というのもあるのだと改めて認識した。
90歳になるラッキーと呼ばれる男の日常を描く。ラッキーは、主演のハリー・ディーン・スタントンを当て書きしたらしい。
ルーティンのような毎日を過ごすラッキー。酒もタバコも大好きだ。いつもの店で、甘いコーヒーを飲みながらクロスワードをする。バーで酒を飲みながらいつもの仲間との会話。無愛想で毒づくことも多い。
そしてカーボーイ姿が様になるラッキー。
ある日、ふと「死」を感じる。
そして過去を想いおこす。
沖縄戦で出会った少女は死の瞬間、笑みを浮かべていた。
ペットショップで、エサ用のコウロギを見て、感情移入したのか買ってしまう。
劇的な何かが起こるわけでもないのに、ラッキーの日常が愛おしい。そしてラッキーがパーティで歌うことに感動する。
人生。諸行無常。