ハリー・ディーン・スタントン最後の主演作。
彼の人生の幕引きに結果的になってしまった。
寡黙で無愛想で寂しげな無骨な俳優像を最後まで貫いたと思う。
枯れた荒野の街にチェックシャツにジーンズそしてウェスタンブーツ。
彼の代表作とも言えるパリ・テキサスのトラヴィスへのオマージュだろう。
90歳になってもスタントン程に気品と威厳を持ち合わせた俳優は見た事がない。
この映画はフィクションなのかドキュメンタリーなのかわからなくなる程に俳優スタントンに近付いている作品だと思う。
制作側のスタントンへのリスペクトが如実に見てとれる。
それに答えたスタントンの情熱は衝撃的だ。
90を迎える歳でここまでの物を作り上げる事は自分に出来るだろうか、という疑問を持たざるを得ない。
そして俳優スタントンのファンはエンドロールの最後まで劇場にいる事をおすすめします。
スタントンありがとう、素晴らしい俳優でした。
