このレビューはネタバレを含みます
ラッキーの暮らしぶりから人々とのやりとり、町や景色の色合いまで、映るもの悉くがとにかくカッコいい。
そしてリベラーチェのくだりのほんの些細なセリフから、これまで一切語られていないしこれからも語られることがないであろう隠された物語のイメージが一気に広がっていって、ラッキーやその友人たち、出会ったばかりの弁護士や元海兵といった人々がそれぞれ何かに折り合いをつけていまここにいるということや、それらも消えてなくなること、消えてなくなるのだと思うことができることに、たまらない美しさと憧れを抱いてしまった。
小さな町を舞台にしているからといって必ずしも語られるもののスケールまで小さなものになるわけではなく、ひとりの人生というのは、その断片だけでとんでもないスケールを持っているものなのだということがよくわかった。