エリクソンは老年期を『自己統合』対『絶望』と提唱したが作品の軸もそこにあると思う。
ただ、言葉で提示できるほど単純な話でもない。死に向き合うことは当人でない限り分かり得ないことは多く存在すると感じる。
LUCKYの『無には管理者はいない』という言葉がすごく刺さる。死=無で完結してしまいそうになるが、LUCKYの言葉を借りれば死=自由であると言い換えることもできる。
だから禁煙であるバーでタバコに火を着け、その行動こそが現状の自分を示しているのだと提示したのではないか。
私はその行動こそがLUCKY自身が自己統合を成し得たことを暗示していると思う。
また数年後に観れば新たな発見がある気がする。
