めしいらず

母という名の女のめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

母という名の女(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

17歳で出産した娘に子育ての覚悟はない。同い年の相手の男もそう。ずっと疎遠だった母が呼び寄せられほぼ面倒を見る羽目になる。この三人の関係は生まれた赤子を間に介してもつれにもつれる。若過ぎる二人の責任感のなさが、母の中の母性を覚醒させ暴走させてしまう。二人から親権を奪い赤子を連れ去り、赤子をダシに使って娘から男を奪う。そして三人家族さながらに暮らし始めるのだ。母もかつて娘と同じ17歳で望まぬ出産と子育て、夫婦関係の破綻を経験していた。不幸な人生の自覚。そのことがこの親子が疎遠だった原因だろう。今、母は”母親”として”女”としての人生をやり直そうとしているのだ。しかし娘は赤子を取り戻しにやって来る。男の裏切りを疑った母は赤子を投げ出して去っていった。娘はやり直そうと男に接近し、赤子をついに取り戻す。しかし我が子を再び胸に抱いた途端に、彼女は男を置き捨てタクシーで去っていく。必要な手続きさえ終えれば男は用済み。娘の中の”女”の部分は男の裏切りを絶対に許せなかったのだろう。今、彼女の中の”母親”の部分は満たされた。一度失敗した子育てを彼女がこの後に確とやり直せるのか。それは誰にも判らない。
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