しちれゆ

母という名の女のしちれゆのレビュー・感想・評価

母という名の女(2017年製作の映画)
3.6
現実には有り得ない常軌を逸した母アブリルについては割愛

17歳で出産した妹ヴァレリアは「赤ん坊の世話ムリ!」と音を上げて泣き叫んでいたのが色々とあったせいで母親としての自覚が芽生えたのはよかった。あの臨月のお腹、ホンモノぽかったけど、どうなんだろう?

赤ん坊の父親これまた17歳のマテオも相当なクズ。流石に義母アブリルに「あなたの子供がほしいの」と言われて「え💦まだ産めるの?」って聞くのには笑った*_ _)
マテオどう見ても20代半ばでしょう。向こうの人は老けてるよね。

そして一番割の合わない役回りは姉のクララ。妹が真っ昼間のセックスで汚したシーツを洗い外で働き食事を作り…。太っていて美しくない自分にコンプレックスを抱き内心は妹を妬みながらも、自分の不幸せを人のせいにしないことがかえって自分を封じ込めてしまい、見ていて切ない。我慢し損なんだよね、クララ。

ラストはヴァレリアの自立と旅立ちで終わるけれど、そしてアブリルもなし崩し的に今までの暮らしに戻るだろうけれど、人のために生きてきたクララが自分だけのために生きられるのだろうか。世の中には依存されてこそ生きていけるタイプの人がいてクララはその典型だったから。
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