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母という名の女のemilyのレビュー・感想・評価

母という名の女(2017年製作の映画)
4.2
メキシコのバジャルタの別荘で暮らす姉妹。妹のバレリアは、17歳にして、マテオの子供を妊娠している。みかねた姉は母を呼び寄せるが、母のアブリルはまだ母親になるには早すぎるバレリアを見かね、ある決断に出る。

ゆっくりと静かに物語は展開するが、次第に加速していき、気がつくと母である前に女の部分がむき出しになってしまい、欲望が行動を起こさせる。

母親である前に誰しもが女である。自分の手の届くところで、全てがコントロールされていく。子供への独占心は、やがて復讐の道具となり、見事にサスペンスとして成立していく。

互いの苦悩が上手く交差し、静かな中にそれぞれの思いがしっかり見えてくる。外れたレールが別のところに組み立てられ、最悪の結末へ向かう。

母である前に女だった、アブリルだが、結果的には母親として娘に大切なことに気づかせる結果となる。やはり母は強い。たった17歳でもしっかり母性は芽生え、大切なものができたとき、バレリアはきりっとした表情で未来を見据える。

結果、母の行動が娘を助け、前を向かせる結果になる皮肉が素晴らしい。
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