マクガフィン

バルバラ ~セーヌの黒いバラ~のマクガフィンのレビュー・感想・評価

2.8
虚構と現実との微妙な狭間を、そのまま描く手法は好みが分かれるだろう。バルバラ自身というか、役者のジャンヌ・バリバールを魅力的に描くが、シャンソン歌手としてのバルバラの魅力が伝わってこなく、何を特に描きたかったのだろうか。監督役として出演する、監督の出しゃばり感が前面に出て、バルバラの生涯を彩るエピソードが殆ど無いことは、如何なものか。

虚構の世界を創作する行為は、現実で押し潰されないための、切迫感からなのか。そこに本当に伝えたいことがあるのか分からないが、監督自身の虚無な葛藤を見せられても、自己陶酔のように感じてならない。期待していただけに、相性が悪くて残念。