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女王陛下のお気に入りのhebのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.1
どのカットを切り取ってもそのまま絵画になってしまいそうな凝った画作り。時代モノとしての美術の完成度だけでも一気に引き込まれてしまいます。
独特のテンポの会話劇と編集で常に緊張感が漂いますが、所々に妙な抜け感があって不快だったりユーモラスだったり、じわじわと感情をくすぐられているような感覚です。
サラとアビゲイルのどちらが女王の寵愛を受けるのかというシンプルな構造の話の中で、軸になるアン女王の造形がなかなかの強烈さ。痛風持ちで精神的にも不安定なこの役を演じたオリヴィア・コールマンの存在感がとにかく圧倒的でした。

どう受け取ればいいのか難しかった「聖なる鹿殺し」とは違い、こちらはエンタメとしてもしっかり楽しむ事が出来たかなと思います。
個人的にはサラの衣装が毎度毎度カッコよすぎて眼福の極み。フェイバリットに加わりました。
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