ヨルゴス・ランティモス監督による大奥【ブラック
・コメディ】。
18世紀初頭、フランスと戦時中のイングランド。虚弱体質の王女アン(オリヴィア・コールマン)の世話をする幼馴染のサラ(レイチェル・ワイズ)は、絶大な権力を誇っていた。そこにやって来た新米の召使いアビゲイル(エマ・ストーン)が、その魅力でサラを引きつける。サラはアビゲイルを支配下に置くが、アビゲイルは再び貴族への地位に就くチャンスを伺っていた…。
オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン(初脱ぎ⁈)、レイチェル・ワイズらの演技合戦(演出)、衣装、美術を堪能する作品。
ヨルゴス監督の前作、【聖鹿】に比べると監督自身が脚本を担当して無いせいか初っ端から不穏(毒)やインパクトは影を潜めた感。
(内容がブラコメなので、当たり前だが。)
とは言え、人間の嫌なところを炙り出してくるのは健在。しかも今回は女性(女優)で、本作での男は添え物。
カメラは監督らしさが垣間見れた。(聖鹿とは差別化していたと思われるズームインショート版。)
今回は、魚眼レンズ多用が目立った。
演出で監督らしかったのが、聖鹿で言うストリングスで煽った得意の【不穏な空気】を生み出す音楽と言うより効果音。今回は、小さい音から徐々に大きくなってくるという不気味音が効いていた。その使い方が巧い。
締め方が監督らしい。
本作、イギリスでは受けたが、アカデミー賞ではどうだろうか⁈無冠か受賞して主演女優か衣装、美術関係のみだろうと予想。
エンドロールが個性的でお洒落だ。