ギルド

女王陛下のお気に入りのギルドのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.3
ラ・ラ・ランドにも出演したエマ・ストーンがあんな小悪魔キャラになるなんて…と軽く絶句してました(笑)

 この映画も人間の心情のエグい暗さを描いているけど、それと同時に心の複雑な壁をラブコメで表現するのが一番の見どころだと思います!そのコメディもブラックだったり要所要所の変態的趣向でひねくれてる感じが好きです。
大奥を彷彿させる権力闘争を通じた寵愛がテーマだけど誰かに認められるために、どれだけ尽くしても心と心の間にバリアが張られて素晴らしい関係へ築けない。そんな哀愁さをキャスト陣の怪演と独特の映像の撮り方で表現するのが凄いなと思いました。

 何よりもこの映画の全体を担う"変則さ"が猛威を振るっていて、前作の「聖なる鹿殺し」がめちゃくちゃ好きな映画の所以だし今作も当てはまりました。それがエマ・ストーン演じるアビゲイルの小悪魔さと機械的なところで、個人的にはそこだけでもう一度見たいと思うほど強烈でした。
アビゲイルとイチャつくのかな?と見せかけた打撃をかますお笑いのようなシーン、聖なる鹿殺しでもあった機械的なイカせるために行う無味乾燥な性欲処理、一番最後のシーンで悦に浸るあまりに行う"とある虐待"とそれに対する衝撃的な展開からのエンディングの結びが大好きなシーンです(笑)

 見終わった後の不気味さも「聖なる鹿殺し」の狂気的な不気味さと引けを取らないレベルで、前作が好きな人はこの作品も違ったアプローチで不気味さを演出しているのでオススメです!
前作ほど猟奇的なシーンはほぼ無い上に強烈さや山の大きさは控えめだけど、シンプルな構成で魅せるところはしっかり見せているので強烈な割に見やすいと思います!
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