何と滑稽な
2019年28本目: 原題『The Favorite』
監督はヨルゴス・ランティモス
『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』を手掛けた癖のある監督です
ちなみに『聖なる鹿殺し』はタイミングがなくてまだ観れてません。。。
今作も好き嫌いが別れる映画でした
でも過去作に比べて比較的に観易いかも
18世紀初頭、英国のとある宮殿で繰り広げられる女たちの泥沼な愛憎劇
虚弱で自分勝手な女王のアン
その幼馴染で強い権力を握るサラ
そこに現れたかつて貴族だった召使いのアビゲイル
そして3人の野望、欲望が交差していく
権力と地位、損得に野望
自分が愛しているのは自分自身
自分を気に入ってくれる人をそばに置く
邪魔者は視界から排除する
利害が一致するのなら手を組む
敵に回るのなら相手を陥れる
誰かのためにやっていることも結局は自分のため
人間の心は複雑でドロドロ
それでいて単純で滑稽
この泥沼の先にあるのは虚しさだけ
実に滑稽な人間の心模様に笑わされ切なくもなった
音楽も撮影も衣装も演技もすごくいい
純粋な愛も下劣な心も全てくるめて美
ランティモス監督はただ者じゃないと実感させられました
うん、女っておっかない