アカデミー賞を受けて観てきたその1。
映画史上最も哀れに描かれた英国女王アン(オリヴィア・コールマン)とその寵愛を奪い合うアビゲイル(エマ・ストーン)とサラ(レイチェル・ワイズ)、主演3人のドロドロした三角関係が見もの。
嫌いじゃないよ、こういうの。
背景にはスペイン継承戦争があり英国はフランスと戦争状態にあるが、舞台はあくまで宮殿の中。戦時下であることにリアリティーはない。
むしろ“大奥”での主導権争いに、貴族政治家とかが利用される節すらある。
アビゲイルとサラの熾烈な争いを堪能した後、最後の終わり方は示唆的。ステュアート朝の存続を願い辣腕を振るったサラと、ただ貴族階級への復権を願ったアビゲイルの違いが象徴的に描かれる。
エマ・ストーンが貴族政治家に手淫するシーン(サラを追い落とす方法を考えながら)や、サラに先手を打たれてファック連呼するシーンとか、今どきな描写が多いが、背景にある時代と現代的やりとりのマッシュアップに違和感はなかった。さすがアカデミー入賞作。
十分におもしろかったけど、歴史的背景をおさらいしてから観たらさらにおもしろかったろうな(せめてwikipediaだけでも)
ちなみに歴史コメディ映画と銘打ってたけど、コメディかしら、これ(笑)