3人のオスカー女優たちの演技に翻弄される120分と言いたいところですが、そこまでは響かなかったかな~。でも、この時代は嫌いではないので、そこそこ楽しめましたが...
内容がドロドロした愛憎劇の割には、思ったより軽い感じで描かれているからかもしれません。ブラックコメディぽいところがあるのはヨルゴス・ランディモス監督らしいとは思いました。
もともとは、この作品でオスカーを獲ったオリヴィア・コールマンを観てみたくて鑑賞。
共演のエマ・ストーンは「ラ・ラ・ランド」で、レイチェル・ワイズは「ナイロビの蜂」でオスカーを獲っていますが、今作でも助演女優賞ノミネートの二人ですから期待値を上げすぎたかもしれませんね。
物語は18世紀初頭のイギリス、アン王女(オリヴィア)の治世。側付きの女官サラ(レイチェル)と没落貴族からサラのつてで宮廷で働くことになる従妹アビゲイル(エマ)。
権力者の望みを察知して、媚びへつらうことで成り上がっていくアビゲイルと自らの正義を信じて気高く生きて堕ちていくサラ、二人の対比に人生の悲哀を感じます。
アン女王は子供に恵まれず、産まれた子供もことごとく早世してしまったという史実が残っていますが、17羽のウサギたちを溺愛する女王の悲しみは伝わってきました。サラもアビゲイルも実在した人物らしいですが、映画のような関係だったとしたら、仁義なき戦いで恐ろしい(笑)
オリヴィアは時にだだっ子のように甘えたり、目は虚ろで、体調も悪そうな役なのですが、時おり権力者の顔を見せる演技は良かったです。喜怒哀楽、色々な顔を見せてくれました。
エマは初めの方ではどんくさい感じを見せますが、段々頭角を現していき、強さを見せ付けますね。インパクトありました。
レイチェルもオリヴィアとの絡みでは多彩な演技を見せてくれますが、身体を張っているシーンでも静かで上品さがありましたね(笑)
女3人それぞれの生き様は面白いと思いました。それにしても美術品だと思っていた壺がゲロを吐くためのもの?...ちょっと見方が変わりました(笑)