そーいちろー

女王陛下のお気に入りのそーいちろーのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.0
ヨルゴス・ランティモスは、今一番世界でヘンテコな面白い映画を作らせたら一番凄いのではないかと思う。アンゲロプロスの印象が強いギリシャから突然出てきた変態という印象。前作の聖なる鹿殺しも何か宗教的なモチーフを描きつつ、究極の選択を迫る映画だった。今作はエマストーン演じる没落した貴族の女性が、召使いとして王室に招かれるところから物語はスタートする。従姉妹の女性は司令官の奥方として、そして女王に忌憚のない意見を具申出来る側近として非常に高い地位にある。実は女王と奥方は肉体的にも深く結びついており、それを偶然見たエマストーンは…みたいので、ドンドン権謀術数を駆使してエマストーンが召使いから女王の側近にまで成り上がって行くのだが…という感じ。ラストシーンののし上がったはずのエマストーンが女王に命じられ、足揉みをさせられてるシーンで、女王とエマと兎の映像が重なり、最後は無数の兎で埋め尽くされるシーンが印象的。前回も鹿という動物が題材とされていたが、今回も兎、馬、鴨、鳥と狩猟動物が作中に頻出するのが印象的であった。女王もエマもレイチェルワイズ演じる従兄弟も、みんな自分達が狩りを行なっているようで、自分達自身も誰かから狩られる存在である、というような象徴のように感じられた。今回も随所に下世話なネタが盛り込まれており、マジなのかふざけてるのか分からないような映像世界であった。どういう話なのかといったら、女同士の恋愛の三角関係の物語とも言えるし、権力に関する物語とも言える。また腕を上げたな、ランティモスという感じ。