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女王陛下のお気に入りのMaUのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.6
フランスと戦争状態のイングランド。王女と側近と新参者と。勝者はどの女性?女のしたたかさやかけひきが全面で男性不在の世界。気持ち悪いけどエクセレント。

痛風で孤独な王女アン。17匹のうさぎを亡くした子供のかわりにかわいがっている。側近には凛として強いサラ。夫は戦いの前線にいて、彼女は王宮をとりしきる。そこに没落した貴族の娘、アビゲイルがやってくる。侍女として入ってきた彼女はやがてサラの目に留まり、その能力を発揮していく。貴族に返り咲きたい彼女の野望ははたして叶うのだろうか…

正当な宮廷ものではなくてある意味フィクション、ということで大奥のようなあざとい女の戦いにはどこの世界も男性は不在。または男性は愚。私はとにかく貴族復帰にまっしぐら、野心満々のアビゲイルが振り切ってて好きだわー、と思いながら見てしまった。まさに野次馬根性。裸のぶよぶよ男のフルーツ投げられてのお戯れとかアヒルの競争とか、挟まるシーンに苦笑しつつ、女の業と欲をよくもここまで見せてくれました、と称賛しかない。アビゲイルの夫、あまりにもかわいそうで苦笑したけど、無表情でやりきったエマ・ストーンに拍手。ブラックでシュールな女の世界、かくありき。
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