MinC

ザ・スクエア 思いやりの聖域のMinCのレビュー・感想・評価

-
風が吹けば桶屋が吹っ飛ぶ
いたたまれないことこの上なし。
王立現代美術館X-ROYALのチーフキュレーターというステイタスあるポジションにいる主人公がちょっとした事件に巻き込まれたことから歯車が狂い出す。
まるで人々の良心を試すような次回展示「ザ・スクエア」(この<思いやりの聖域>ってサブタイトルがまずサブくて疑問噴出)の広報戦略会議中も気もそぞろ。ってか警察いかないの?そこまで間違えますか?ってほど全ての選択が「思いやり」から反対の方に誤り転落していく。ブラックコメディにしては笑えない。
スクエア によって試されたのはキュレーター、プライドを捨てられず全てに疑心暗鬼だったキュレーター自身
さらにこの映画を見ているあなた自身でもありますよ、とでも言いたいのか⁇
露悪的な状況から現代を皮肉る
これだけいろんな疑問を沸きおこらせるのは面白いからなのかもしれないが
決して好きにはなれないな

これって、アート扱ってる人はちょっと浮世離れしてるんじゃないの?というある意味意地悪でステレオタイプな描き方にも思えて不快。しかもこの映画で所謂「アート」として出てくる作品は、アートもどきでしかなくて、
フェリックス・ゴンザレス=トレスのキャンディやヴォルフガング・ライプの花粉を想起こそすれその模倣ですらなくたんに「それっぽいもの」でしかない砂山は、掃除機で吸っちゃったらそっと戻してしまって構わないし、そもそも壁にnothingとネオンサイン。
「寛容」を履き違えているし。
あのゴリラ男、あんなのパフォーマンスでも何でもない。
過剰反応してマジメに怒ってしまうのも馬鹿馬鹿しいし監督の思う壺だしで
本当にいろんな意味でなんてやな感じ!
MinC

MinC